2020年度マーケティング・プランニング・プロジェクト体験談

担当:黒岩 健一郎教授/吉橋 昭夫教授

「デザイン思考でサービスを開発する」プロセスを学ぶ

清水 常平さん(デジタルエージェンシー勤務/2019年度フレックスコース入学)

清水 常平さん

なぜ履修したか

私には、新たなサービス・事業を立ち上げるという目標があります。

2020年度のマーケティング・プランニング・プロジェクト(MPP)は、デザイン思考によるサービスデザインのプロセスを学びながら、連携先の企業にとって全く新しいサービスを提案するという内容でした。「デザイン思考」についてはこれまでも書籍などを通じて学ぶことはありましたが、体系的なプロセスを体験する機会はなく、企業に実在する具体的な課題に対し、デザイン思考による新たなサービス開発を行うという体験は、前述した私の目標達成に向けた有効な財産になると考え、履修するに至りました。

授業で学んだこと

デザイン思考において重要なことは、徹底したユーザー視点でプロセスを進めていくことです。

授業の初期では、ユーザー観察・インタビューなど、「ユーザー視点に立ったアイデア」を考える時間が与えられました。そして、売上や利益などのビジネス視点を考えることなく、連携先企業とディスカッションを行う機会が設けられました。最初からビジネスありきではどうしても企画の幅を狭めてしまいます。ビジネスプランを立てる前に徹底したユーザー視点でのアイデアをぶつけることで、事業者都合ではない消費者ニーズを本質的に捉えた企画に仕上がっていくことを体験しました。

また、企画を進めていく上で、デザイン思考はユーザーやチームメンバーとのコミュニケーション無くしては成立しないということを実感しました。特にブレーンストーミングでは単なるアイデア出しではなく、むしろメンバーの「知を引き出す」工程だったと感じております。メンバーの知識や素養などの「暗黙知」が引き出されることで、企画をブラッシュアップしていくための役割分担が自然に成立していきました。

徹底したユーザー視点、多様な切り口によるアイデア出しなど、言葉では理解していることでも、微妙に意見が違うだけで、思うようにディスカッションが進まない場面は何度も経験したことがあります。デザイン思考はそのプロセスも大切ですが、「他者のアイデアに乗っかる」という心構えもとても大切なことだと理解しました。安心して発言することができる場をつくり、多様な意見を受け入れることで、それこそ全く考えもつかなかったアイデアが生まれていくことを体験しました。

学んだ内容を今後どんな風に活かしていきたいか

現職ではマネージャーとして、事業のマーケティング施策を企画・実行するチームを率いております。組織をマネジメントする立場として、授業で体験した、多様な知識や素養を引き出す場づくりは、すぐに役立てることができました。

そして何よりも、「デザイン思考でサービスを開発する」プロセスを用いて、これまでになかった新しいサービス・事業を立ち上げるという目標を達成したいと考えております。いつか(それほど遠くないタイミングで)、『ABSの授業で学んだプロセスを用いて立ち上げた事業』の報告ができることを楽しみにしております。

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