2019年度マーケティング・プランニング・プロジェクト体験談

社会に向き合う視座の高さを身につけられる、貴重な経験

加藤 小百合さん(IT企業勤務 / 2018年度フレックスコース入学)

加藤 小百合

なぜ履修したか

マーケティング分野については、自社のCRM業務に携わった経験がありました。ABSでマーケティングを学ぶうちにリサーチやプランニングの面白さを再確認し、さらに経営戦略視点も考慮した提案をしたいと考えMPP(マーケティングプランニングプロジェクト)を選びました。

授業で学んだこと

MPP2019は米国オレゴン州ポートランドのライフスタイルを研究し、そのエッセンスを世田谷区二子玉川地区の地域活性化へと応用するという、これまでのマーケティング知識を全て活用する産官学連携プロジェクトでした。

産官学連携プロジェクトの難しさは、全ての関係者が目標に対しコミットメントし、変革を受け入れながら、利害を超えて協力していくことだと思います。プロジェクトを軌道に乗せるためには、プランニングを繰り返し精査し、長期的にぶれない指針のもとで進める必要があります。個人の意識の高さだけではなく、関係者全員が長期的に同じビジョンを持てる仕組みをどのように作るのか、プロジェクトを進めながらその難しさを感じました。企業とのミーティングより、既存のリソースをうまく活かしきれていない、ITの活用に課題があるといった現状が明らかになり、企業と市政が協働で地域活性化を行い進化していくための課題解決が今回のMPPの大きなテーマとなりました。

私は「新しい食堂」を考えるプランに参加しました。自治意識の高いポートランドの事例に学び、チームで「住民の自治意識が高まる食堂を作る」という方針を決定しました。

私が個人的に着目したのは「食堂」の定義に立ち返ることです。従来の食堂は「食べる」「作る」「話す」という行動が別に存在していました。これを融合する場として再定義する。最初は見知らぬ人々が、体験や感情を共にするプロセスを経てコミュニティを形成する場となることを目指しました。また、リソースを支えるIT戦略として、料理人・食体験のITネットワーク・データベース化、動画配信により地域野菜のブランドを全国にPRすることもプランニングしました。現場のリサーチ、グループワークを重ね、最終報告会で高い評価を頂いた時にはそれまでの苦労が報われた心地でした。多忙な中常に求められた以上のパフォーマンスをしてきたメンバーに対する尊敬と、温かく深い提言を下さった先生方への感謝の気持ちで一杯です。

私にとって、社会に向き合う視座の高さを身につけ、全人格的なものを鍛える貴重な経験となりました。

学んだ内容を今後どんな風に活かしていきたいか

今後のビジネスにおいても、利害の異なる関係者の調整、現場を丹念にリサーチすること、問題解決と価値創造のPDCAを回すことは必須のスキルであり、すでに仕事において自身の底力が上がったことを実感しています。今後も、人として魅力があり、世の中に価値のあるものを提供していける存在となるよう精進したいと思います。

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