2021年度ファイナンス・アンド・テクノロジー体験談

担当:武田 澄広教授

「VUCA時代 - 未知の世界への挑戦~Deep Learning AI – Blockchain – Quantum computing~」

栁瀬 光弥さん(2020年度イブニングコース入学)


栁瀬 光弥さん

なぜ履修したか

私は、ABS入学当初からアクション・ラーニングは、Finance&Technologyを履修することに決めていました。それはこのVUCA時代、つまり「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」という現代の情勢から今までの常識や既存のビジネスモデルがまるで通用しない予測困難な時代にこそ最新テクノロジーを理解した創造的リーダーの出現が必要であると考えていたからです。

テクノロジーは金融業であっても製造業であっても、あらゆる業界においてどのような役割を担っていても組織のイノベーションに向けては、AI等をどのように活用するかが極めて重要な要素であると認識しています。事例として、Amazon GoはDXの成功事例の一つといえ、こうしたイノベーションのモデルについての教養もつけたいと思っていました。

授業で学んだこと

主に学んだ項目は3つになります。

1. Deep Learning AI
「PythonとKerasによるディープラーニング」の本を中心にCNN(画像データを入力として高い認識性能を達成できるモデル)といった小売業界での顧客トラッキングにも関連するモデル・手法等、ディープラーニングに関する幅広い教養を身に付けられました。

2. Blockchain / NFT
授業では実際にBlockchainのEXPOにも訪れ、すでに商用でも使われている事など最新動向を把握できました。2008年にSatoshi NAKAMOTOが発明したとされるBlockchainは、P2Pネットワークなどの特徴を持ち、当初はビットコインの公開取引台帳としての役割であったが近年では暗号通貨に限らずNFTに見られるようにデジタルアートの世界でも期待が高まっていることを認識しました。

3. 量子コンピューティング
授業では、AWSのAmazon Braketを使って「ショアのアルゴリズム」など概念実証型のアルゴリズムをクラウドコンピューティング上で実践してきました。量子物理学特有の振る舞いをコンピューティングに応用し、主に新しい概念をアルゴリズム(プログラミング方法)に導入されるということを理解できました。

また、上記3つの補完として6つ項目を学びました。

・Python
1年間を通して開発言語としてはAI開発でも使われるPythonを使用してきました。私はこの春からPythonを使い始めました。私自身、前期の期間中の5月と7月にPythonエンジニア試験(基礎試験とデータ分析試験)の2つの合格者となることが出来ました。

・GitHub
AIおよびAIの他の分野におけるオープンソースソフトウェアの事実上の格納場所であり、すべてをゼロから開発・構築するよりもはるかに速く進めていくことができることを学びました。

・Ethereum
授業では、「マスタリング・イーサリアム」の本を使い、MetaMaskを使ってウォレットの作成をし、テスト環境でのイーサの送受信などを体感できました。

・スマートコントラクト
MetaMaskウォレットとネットワーク上のテスト環境を使ってコントラクトの作成などスマートコントラクトプログラミングを実践しました。

・線形代数
量子ビットの状態や量子演算を記述する際に使われる数式記法であるため量子コンピューティングを学ぶ前提として授業でも最初に学びました。

・AWS(クラウド)
AWSのAmazon Braketを使って実際に量子コンピューティングのアルゴリズムを実践して体感できました。

学んだ内容を今後どんな風に生かしていきたいか

現在、私はメーカーの情報システム部に所属しています。今後は、ITは基より、Deep Learning AI、Blockchain技術の理解、そして量子コンピューティング等の最新テクノロジーの知見をより深めて、ビジネスにとっての価値のあるものとの共通箇所にあるものを見出していきたいと思います。それは、ビジネス上、有益な意思決定に繋がる有効なプロジェクトになり私自身がそのプロジェクトにおける創造的リーダーになることがこのアクション・ラーニングの真のゴールであると考えます。

ABSのトップページへ