経営戦略[必修科目(100番台)]

担当:澤田 直宏教授

中川 信吾さん(森永製菓株式会社 マーケティング本部)(2022年度イブニングコース入学)


中川 信吾さん

授業の概要

経営戦略に関する多くの書籍や記事が巷にあふれており、ビジネスマンであれば一度は経営戦略に触れた経験があるのではないでしょうか。一方で、体系的・構造的に学ぶ機会はそう多くは無いと思います。ABSでは経営戦略を1年次の必修科目として扱います。経営戦略は企業戦略と事業戦略に分かれ、企業戦略は全社の戦略であり、事業戦略は競争戦略に位置づけられます。本授業ではその中でも事業戦略と呼ばれる分野を学びます。

事業戦略とは事業責任者である事業部長(専業企業の場合は、社長)の視点でおこなう戦略です。戦略のゴールは企業価値の最大化です。その目的を達成するため五つの競争要因(Five Forces)モデル、戦略ポジショニング、バリューチェーン、VRINフレームワーク、業務活動システムマップ等、戦略分析の基礎となる手法を学びます。本授業では国内外に実在する(過去実在した)企業のケースを用い、クラスメートとのディスカッションを交えて理解を深めていきます。

授業から学んだこと

経営戦略の目的である企業価値の最大化を達成するため、外部環境と企業がもつ経営資源を関連づけ、一貫性のある行動方針を立てることの重要性を学びました。また、対象とする市場をどう定義し、どのような行動方針・具体的な打ち手を打つのか、その答えは一つではありません。

ケース(企業や企業を取り巻く情報をまとめた資料)から戦略を導き、様々なバックボーンを持つクラスメートとディスカッションをしていく中で、他者の意見に触発され理解が深まります。これまでは「点」であった経営戦略に関する断片的な知識が、一本の「線」として繋がっていく感覚を得ました。ここでの学びをしっかり身につけることで、二年次から始まる青山アクション・ラーニングに臨む前の基礎を固めました。

どう仕事に活かしているか?

私はメーカーのマーケティング部門で市場や顧客の調査・分析を通して、マーケティング戦略立案のサポートをおこなっています。経営戦略とマーケティングは密接に結びついており、新規市場への参入を検討する際に「自社がもつ経営戦略と対象市場との関連性が適切か」「収益を上げやすい市場なのか」「参入障壁を維持し続けられるか」などを積極的に考えられるようになり、授業で学んだ視点が実際の業務に活きていると感じています。本記事の読者の方が現在は経営戦略との関連性が薄い業務であったとしても、自社の事業戦略を理解する力は誰もが身につけておくことで今後に役立つと思います。

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