統計分析Ⅰ[必修科目(100番台)]

担当:森田 充教授

「分析の基礎を振り返り、データ分析結果を正しく理解することの重要性を知る」
櫻井 曜子さん(資生堂インタラクティブビューティー株式会社)(2022年度イブニングコース入学)


櫻井 曜子さん

授業の概要

日常生活、仕事、趣味など我々は毎日何かしらの活動で様々なデータを利用しています。データを基に意思決定することも、様々な場面であると思います。2022年11月〜12月に行われたサッカーワールドカップでも、主催者のFIFAがボール支配率など、試合中に収集したパフォーマンスに関するデータを公開し、関係者には、専用の分析基盤も提供していることが発表されました。スポーツもデータを正しく解釈することが鍵となってくることがこの件でも示唆されています。業務の中でも売り上げなどのデータの平均を取ることは日常的に行いますが、どのようなデータの分布になっているのかなど、データ全体の特徴を捉えた上で解釈することで、新たな示唆も得られると思います。

この授業では、全15回の講義を通して、収集したデータを適切に要約し、必要となる情報を引き出す記述統計および一部のデータから全体を把握するための推測統計の基礎理論を学びます。記述統計とは、得られたデータを客観的、効率的に記述するための技法となります。例えば、クラス30人の身長データから、平均値、標準偏差、分散などを計算して、このクラス30人の身長の傾向を把握しようとするものです。推測統計は、過去3回の模擬試験の結果から、回帰分析を利用して本命大学の入試における合格率を予測するようなものです。

授業は基礎部分から始まり、身近なテーマを扱った実例や演習問題を通じて、必要な統計理論を学びます。また、復習する課題も設定されており、知識の定着を図れるよう設計されています。

授業を通じて学んだこと

ABSでは、個々の興味や課題意識に基づき2年次で選択授業を履修します。1年次で設定されている必修科目は、各専門領域を横断し、個別知識・技能を統合して思考する能力を養成することを念頭に置いて設計されており、本授業はその土台となるよう、基礎固めとしての位置付けの1科目にあたります。

ビジネスマンとして、今後も働き続ける際に、データの正しい解釈とデータという客観的な根拠を利用した意思決定は必要不可欠なものです。デジタルトランスフォーメーションが進んでいる昨今、社内の各種データを利用して、分析し、結果を元に判断する必要性は非常に高まっていると感じます。また、各企業でデータサイエンティストの育成のニーズが高まっています。これはデータを解釈できる人材が、ビジネスで活躍できる場が増えているということです。

この授業を通じて、私はデータを正しく解釈することの重要性を理解しました。ただ平均を取るだけではなく、分散で傾向を見たり、収集したデータの輪郭を正確につかむことが、結果を正しく解釈することにつながると気づけたことは、業務だけで気付けることではなく、ABSに通学する中で、一つの収穫となりました。

どう仕事に生かしているか

統計分析Ⅰを通じて、基礎理論を学びましたので、応用編となる統計分析Ⅱも引き続き履修しています。業務でもアクセスデータや予算データを扱うことが多いのですが、学んだ分析手法を生かして、収集したデータの輪郭を正確につかむような習慣をつけるようにしています。また、データが資料などに出てきた際には、どのように分析したのかなどにも興味が湧くようになってきています。社内で需要予測を行っている同僚と会話する際にも(浅い知識ではありますが)以前よりも説明が理解できるようになってきたと感じています。

今後は、予算内容の分析をより詳細に行えるようになっていきたいですし、回帰分析法を利用して、予測を出すなどデータをより適切に扱える人材になりたいと考えているので、さらに学びを深めたいと考えています。

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