2025年度アドバンスト・コーポレート・コミュニケーション体験談

「企業価値を“自分の言葉で語る”」

吉澤 恵子さん(2024年度イブニングコース入学 / 保険会社勤務)


吉澤 恵子さん

なぜ履修したか

私は保険会社で25年間、営業・マーケティング、人事、ダイバーシティ推進、組織風土改革など、常に「人」と「現場」を軸にキャリアを積んできました。役割が広がるにつれ、事業部門の成果だけでなく、それらが企業価値にどのように結びつくのかを捉える視座が求められるようになりました。

同時に、投資家やアナリストが企業をどのように評価し、サステナビリティやガバナンスが企業価値にどれほど影響するのかを理解する必要性も強く感じていました。事業部門を超えて貢献する経営人材を目指すにあたり、多様なステークホルダーに対して企業の将来性を“自分の言葉で”語り、財務や資本市場の視点を踏まえて対話できる力を身につけるために、本科目の履修を決めました。

授業で学んだこと(印象に残った内容)

本科目では、企業経営と資本市場をつなぐコーポレートコミュニケーションの本質を、第一線で活躍する実務家講師陣から学ぶことができました。特に印象に残っているのは、証券アナリストや機関投資家が企業をどのように評価しているのかを、実際の分析プロセスに沿って学んだ授業です。WACCの設定理由、事業ごとの成長率の妥当性、脱炭素の取り組みが企業価値に与える影響など、普段の業務では触れることのない視点から企業を“数字とストーリーの両面”で捉える重要性を実感しました。

また、サステナビリティ開示の最新動向、役員報酬ガバナンス、株主アクティビズムの実証研究など、企業価値をめぐる議論の最前線に触れられたことも大きな学びでした。欧州・米国・日本企業のサステナビリティ経営の事例紹介では、企業文化や市場環境の違いが経営判断にどのように影響するのかを深く理解することができました。

最も大きな挑戦となったのは、最終課題として取り組んだ企業価値向上策の提案です。統合報告書やサステナビリティレポートを読み込み、機関投資家の視点で企業の将来性を評価し、財務・非財務の両面から提案を行うプロセスは、まさに“経営の言語”を体得する時間でした。発表時には、WACCの根拠や主要株主の構成から見た提案の実現可能性など、鋭い質問が飛び交い、緊張感のあるやり取りを通じて学びが一段深まりました。

学んだ内容を今後どのように生かしていきたいか

本科目で得た最大の収穫は、「企業価値を語る視座」を手に入れたことです。これまで私は、現場に寄り添い、人の成長や組織づくりに力を注いできました。今後はそこに資本市場の視点を掛け合わせることで、より広い視野で企業の未来を描き、投資家をはじめとするステークホルダーに自社の将来性を自分の言葉で語れるリーダーを目指していきたいと考えています。

また、本科目で培った「財務と非財務を統合して企業を捉える視点」は、これからのキャリアにおいて確かな武器になると感じています。この経験を糧に、企業価値向上に貢献できる経営人材を目指して次のステージに挑戦していきます。

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