実践的なABSの学びを国際ビジネスで活かす!

中川 守さん(MIKIMOTO PEARL JEWELLERY(H.K.) LTD. 2011年フレックスコース修了)

(1)ABS-MBA課程修了後の現在

2011年にABS-MBA課程を修了し早くも3年がたちましたが、今思い出しても心が熱くなる濃密な時間、そして素晴らしい仲間たちと出会えた最高の2年間であったと感じています。
私は現在宝飾ブランドであるミキモトの香港現地法人にてマーケティング業務に従事しており、香港を拠点に中国、シンガポール、台湾市場のマーケティング戦略の立案と実施に携わっています。ABS在学時代は、日本国内のブランド管理、広報宣伝等の業務に携わっておりましたが、MBAでの学びをラグジュアリーブランドの急成長市場であるアジア市場を対象に実践したいという希望が叶った形となっています。

(2)MBA取得とABSでの学び

私がMBA取得を目指した理由は、当時国内のブランド管理業務に従事していたこともあり、ブランドマーケティグを理論と実践の両面から学びたかったということが挙げられます。またカリキュラムの実践性や実務経験者を豊富に揃えた教授陣のレベルの高さ、立地条件、そして学部の卒業校であることなどから学校選びは迷うことなくABSに決めていました。

そして、ABSの特徴と言えると思いますが、実践的なコースワークとグループワークでカリキュラムが構成されています。多種多様なビジネススキルを備える学生同士が相互の持ち味を生かしながら協力して課題に取り組む中で、理論のみならずビジネスにおける実践面での人間関係、信頼関係、倫理観等の重要性をバランスよく学ぶことが出来たと思います。国際的な業務の真只中にいる今、国や習慣の異なる人々との日々の業務の中で、相互の能力と人間性を尊重した信頼関係の構築がビジネス理論の以前にある非常に重要なファクターであることを実感しています。

理論面としては、500番台科目でこの年度に新規開講された「マーケティング・プランニング・プロジェクト(MPP)」を選択し、自分の会社とは異なる商品のブランド確立を非常にリアルに研究させて頂くという貴重な体験が出来ました。また同時にマーケティング演習も履修しブランドマーケティングの理論的な側面と様々なグローバル企業のケースを教授と私を含めた生徒2名という非常に贅沢な環境で学ばせて頂きました。最後には自己のブランドについてのケースを作成し、改めて自分が従事するブランドをブランドマーケティングの側面から客観的に見直す貴重な機会となりました。これら専門科目でのマーケティングにおける実践的&理論的な学びは現在のビジネス環境での様々な意思決定における私の大切な礎となっています。

あと私の場合は入学時に卒業条件となるTOEICスコアーをクリアしていなかったため、授業の課題をこなしながらTOEICスコアー取得のために同じ境遇の仲間達(笑)と必死になって頑張ったことは今となっては苦しくも楽しい良い思い出となっています。

(3)これからMBA取得を目指す方へ

非常に多くのエネルギーと時間を必要とするABSでの修学には、様々な悩みやリスクがあると思います。私の場合も転勤を含む部署の異動や家庭とのバランス、また当時逗子から通学していたため毎日往復に3時間半程度(時にはそれ以上…)かかることなど、多くの懸案事項がありました。しかし、学びたいと思う強い探究心があれば様々な逆境もプラスに転換してゆけるものと私は信じていましたし、実際そうなったと思います。この影には会社と家族の多大な理解と協力があり、今でも心から感謝しています。そしてまた自己の生活スタイルも大きく変化させなくてはなりません(私の場合は、早起きに転換と飲酒量減少という副産物がありました!)。

しかし、ABSでの学びは、これらのリスクに挑むだけの十二分の価値があったと思います。在学中にインプットされるビジネスに関する理論と情報は膨大な量になりますし、最初の頃は「目から鱗」的な驚きの連続でした。しかしながら、決してABSで2年間学んだ事により飛躍的に能力が高まるわけではないですし、理論専攻の頭でっかちになってもいけないと思います。真剣に取り組んだABSでの様々な経験と出会いが、その後の実務経験を通じて自己を成長させ実務能力を高めて行くのだと思います。これは自分自身への戒めともなりますが、最も大事なことはMBA取得後のアウトプットだと思います。

ABSのHPに来て私たちのこの文章をお読み頂いている「あなた」は、すでにMBA取得への目的意識と熱意を抱かれていると思います。「鉄は熱いうちに打て」ではないですが、是非、勇気と信念を持ってABSの門を叩いて下さい。様々なビジネス理論と頼もしい教授陣と仲間たちが待っています。