2020.01.31

つながる時代の組織とマネジメント・セミナー・シリーズ第3回
『現代の市場とは何かー文化、テクノロジーと消費から』開催報告
欧米の経済社会学の先端研究者4名が登壇

2019年12月18日に中野勉教授主催のオープン・セミナー「つながる時代の組織とマネジメント・セミナー」の第3回が、欧米の経済社会学の先端研究者4名をフランス、デンマーク、アメリカからお招きし、開催されました。

古典的な経済学からの市場の概念に対し、現代の経済社会学がどのように市場と消費の問題を捉えるのかについて、4つのプレゼンテーションがありました。

Martin Skrydstrup 准教授(Copenhagen Business School, Denmark)は、温暖化や環境問題が大きな焦点となっているヨーロッパにおける循環型の経済のあり方について、 circular economies の考え方と、その現状の展開の説明がありました。Sheen Levine 准教授(University of Texas Business School-Dallas, USA)からは、ゲームでの実験を基に、行動科学的な視点から、消費行動における模倣と感情がいかに価格に影響するのかの説明があり、消費者の多様性 (diversity) が市場を安定化させるという指摘がありました。Franck Cochoy 教授(The Institut Universitaire de France, France)は、デジタルとアナログの商品タグの情報やテクノロジーに関しての歴史的な流れを概観した上で、そこには消費についての普遍的なものがあり、このようなマテリアリティから市場の構造は作られているという深い示唆がありました。Christian Frankel 准教授(Copenhagen Business School, Denmark)からは、デンマークにおける代替エネルギー市場が、多くの異なる集団の利害を巻き込みながら、多様な消費市場を形成することの説明がありました。

ABSの中野勉教授からは、これらの4つの市場と消費についての視点を比較することで、アカデミックな知識はより豊かなものになり、そして、それらは実務に直結しているのであり、ビジネス・マネジャーがこのような視点を持つことで、消費についてより深く理解できるという指摘がありました。

その後参加者とのQ&Aが続き、気軽な懇親会を楽しみました。年末の忙しい時期にも関わらず、40名ほどの方々にお集まりいただきました。

つながる時代の組織とマネジメント・セミナー・シリーズ第3回『現代の市場とは何かー文化、テクノロジーと消費から』開催報告

つながる時代の組織とマネジメント・セミナー・シリーズ第3回『現代の市場とは何かー文化、テクノロジーと消費から』開催報告 欧米の経済社会学の先端研究者4名が登壇

講演者4名は左からDr. Christian Frankel, Dr. Martin Skrydstrup, Dr. Sheen Levine, Dr. Franck Cochoy

講演者4名は左からDr. Christian Frankel, Dr. Martin Skrydstrup, Dr. Sheen Levine, Dr. Franck Cochoy