2023.05.01

伊藤 晴祥教授が執筆した論文が生命保険文化センターの出版する「生命保険論集」に掲載されました

伊藤 晴祥教授

伊藤 晴祥教授

伊藤晴祥教授が執筆した論文「サステナブルインシュランスの実現可能性に関する研究 ―Bâloise Assurances Luxembourg が販売した100% Sustainable Life Insuranceを事例として―」が、生命保険文化センターの出版する「生命保険論集」に掲載されました。

この論文は、日本でのサステナブルインシュランスの実現可能性について検証し、日本でも保険料を、ESG等を考慮した投資により運用を行い、保険金あるいは解約返戻金を支払うサステナブルインシュランスが日本でもある程度需要があり、実現可能性があることを示しました。一方で、サステナビリティ選好(WTP)は、外国人よりも日本人の方が低く、そのような保険料を高く設定することは難しく、また、保険料の運用においてもリターンをそれほど犠牲にはできないことを示しました。

また、環境問題の解決と社会問題の解決にトレードオフがあった場合、多くの人が、一方の問題の改善度合いが、他方の問題の後退度合いを上回っていれば、他方の問題への悪影響を受容することを示しました。環境または社会問題、あるいはその中でも特定の課題の解決だけに企業の取り組みが向かってしまう可能性も否定できず、環境問題への取り組みが先行する中で、社会問題解決に関する取り組みが遅れている現状とも一致します。

https://www.jili.or.jp/workshop/ronsyu/2022.html