セールス・マーケティング[専門科目(300番台)]

担当:秦 純子非常勤講師

廣瀬隆治様(アクセンチュア株式会社戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター)による授業内講演についての報告
2014年フレックスコース入学 大平 美沙子

アクセンチュア 廣瀬 隆治様

B2B(Business to Business)のマーケティングを学ぶ科目「セールス・マーケティング」(秦純子非常勤講師担当)では、理論を学んでからケーススタディに取り組むステップとしてB2B業界の最前線からゲスト講師をお迎えし生きたB2Bセールス・マーケティングを学ぶ機会を設けています。

セールス・マーケティング第2回目のゲストスピーカーは、アクセンチュア株式会社 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクターの廣瀬隆治さん。新規事業やB2Bマーケティング担当として長く携わってこられた経験から商品企画、セールス・マーケティングのアウトプットの事例をお話いただきました。

商品企画の際ポイントとしては、次の二点が印象に残りました。

1) 先進企業、業界が何をやっているかを把握すること。ここを把握することで今後どの領域がトレンドとなるかが見えたり、競合しそうな分野を避けたりすることもできる。大きな企業だけでなく、ベンチャーがトレンドを牽引することもある。

2) 他の業界からアイディアが生まれることもある=インダストリー・コンバージェンス(Industry convergence)。

つい自分が関わっている企業や業界ばかりに目を向けてしまいがちですが、先進企業がなにを手がけ、どう成功を収めているか、うまくいっていないのはどこか、失敗したときにどう軌道修正しているかなどを見ていくことで、自分が関わる分野でも参考となり、業界に縛られることなく、新しいアイディアが生まれる源泉となるのだと気づかされました。廣瀬さんのお話から数日後に、業界の枠を取り払う、先進企業の取り組みを参考にして考える機会があり、実践したところ、いつもより自由に発想し、出てきたアイディアの幅が広がったように感じました。

日本企業マインドと呼ばれる、「いいものを作れば売れる」と考える日本企業が多いのとは対照的に、うまくいっている外資系通信ハイテク先進企業は外部のテクノロジーを入れたり、人材を採用したり、うまくいかなければきっぱりやめるなどの決断をし、過去の成功体験にとらわれないとのことです。そのような企業はスタート時からスケーラブルに考え、ビジョンを持ち、長期的に取り組むため、それがイノベーションにつながっていくのではないかというコメントがクラスメートから出て、活発な意見交換が行われました。

マーケティング&セールス分野では、アナリティクスの力でターゲットを作るのが最新トレンドであることや、運などアナリティクスではどうにもできない部分については結果指標だけでなく、プロセスを指標にするなど、KPIを難しくしすぎないことが営業管理においては効果的であることをご説明いただきました。

ゲストスピーカーの実務と経験に基づくお話をお聞きすることができ、とても有意義で、同時に刺激的な時間となりました。この貴重な機会から得られたヒントを仕事でも積極的に活用していけたらと思っています。