BACCS体験レポート

各フェーズで自己の成長を実感できる体験的学習プロジェクト。それがBACCSです。

松井 信昭さん(2014年フレックスコース修了)

1.受講動機

「BACCS」は、研究テーマとして自分が関心のある業界から3社を選択し、バイサイドアナリストの立場で、業界の将来展望や各社の企業価値を様々な角度から分析し、評価して今後10年間の業績予想を立て、各社の投資判断をまとめてアナリストレポートを作成し、講師陣と履修生仲間の前でプレゼンテーションする体験的学習プロジェクトです。
私が数ある体験的学習プロジェクトの中でBACCSを選択した理由は、カリキュラムの最終成果物が、個人ワークによるアナリストレポート提出とプレゼンテーションだったからです。ABSへの入学を志望していた頃は、卒業論文やリサーチペーパーが修了の必須要件でないことに魅力を感じていましたが、クラスの仲間と1年間学習を共にし、新しい発見や学びがある度に自分がABSで2年間学んだ証が何か欲しいと強く思うようになりBACCSの受講を決めました。卒業した今、私にとってBACCSで作成したアナリストレポートは、ABSでの学びの糧であり証となりました。

2. BACCSの魅力

私の考える「BACCS」授業の最大の魅力は以下の3点です。
① BACCSは、「知の総合格闘技」である。
BACCSについてよく形容される言葉に「知の総合格闘技」というフレーズがありますが、その言葉に私も嘘偽りなしと胸を張って言うことができます。株の投資判断と言うとどうしても皆さんはファイナンスやアカウンティングに寄った学習の印象を持たれると思いますが実際は違います。例えば業界の将来展望を予想する時は、「マクロ分析」を実施しますし、投資判断を「買い」とした割安感があり、将来有望な優良企業を選択する時は、その会社の業績ドライバーを探す作業をしますが、これは「マーケティング」の話であり、さらに自分の考えた業績ドライバーが、競争者にとって模倣困難性が高いか低いかを検証する作業は「経営戦略」の話となります。このように私たちの作成したアナリストレポートが、投資家に対して強い説得力を持つには広範囲にわたる知識・教養と抜け漏れのない分析と検証が必要となります。皆さんもBACCSのレポート作成を通じて、自分がいろいろな分野で知識を吸収し、成長していることを実感できると思います。
② BACCSは、グループワークと個人ワークのバランスがよい。
前述したとおりBACCSでの最終成果物は、個人ワークによるアナリストレポートの作成とプレゼンテーションです。しかし私たちもいきなり2年進級時にアナリストレポートが作成できるレベルにあったわけではありません。授業はじめの4-6月頃は、業績予想に必要な会計知識の習得と業界・企業分析に必要なアプローチ法を学びます。この時期は基礎固めのため毎週課題が課され、答え合わせが翌週行われる形式でした。このとき授業で基礎固めの時間をしっかり取ったので私も期の最後には個人でアナリストレポートが作成できるレベルにまで成長したのだと思います。4月から6月までの学習成果を確認するため7月には、個人でコンビニ業界の指定された1社の企業分析と10年間の業績予想レポートの課題を課され作成・発表しました。その後夏休みと後期の初めには、4人グループで自分たちの選択した業界の3社のアナリストレポート作成に取り組み発表しました。10月には、別のグループを結成し、分位別バックテストによる「ポートフォーリオの最適化」のグループワークの発表がありました。このように年間を通じて最終発表を含む個人ワーク2回、グループワーク2回と学習形態のバランスがよいのもBACCSの魅力です。
③ きめ細かい講師陣からのフォロー
最後にあげたいBACCSの魅力は先生方のきめ細かいフォローと暖かいご指導です。授業の初めの頃は、ほぼ毎週のように課題が出されるのですが、課題と格闘して疑問に思ったことをメールで先生に質問するとほぼ翌日には返事を頂けました。講義でも先生方が誠実に私たちの質問に答えて下さったので先生に質問をしやすい雰囲気がBACCSには始めからありました。そのおかげもあり、その後のグループワークでも個人ワークでも先生に遠慮なく質問することができました。特に私が感動したのは、プレゼンテーションの録画DVDと最終レポートに向けてのフィードバックシートを先生から頂けたことでした。プレゼンテーションの録画DVDを頂いて家で改めて自分の発表内容を視聴すると発表中の自分の持つ妙な口癖・手癖に気づいてこれはすぐ改めなければと気づかされる発見がありました。またフィードバックシートもこの視点で考察を加えるとレポートに論理性も増しもっとよくなるという実務経験豊富なプロの先生からのポジティブなフィードバックになっており感激しました。レポート作成の最終局面は、フィードバックシートを参考にし、先生が私たちにそうしてくれたように私も先生からの質問に丁寧に誠実に答えていこうという気持ちで書き上げていくことができました。改めて先生方からの暖かくきめ細かいフォローに感謝致します。

3. BACCSを履修して

BACCSは、まさに「明るく、楽しく、厳しいABS」を代表する学習プロジェクトであると言えます。BACCSは、「仲間たちと前向きに明るく課題に取り組める。新しい知識や経験を得る楽しさがある。BACCSの課題には、締め切りと説得力が求められ、真摯かつひたむきに取り組まなければならない厳しさもある。」ですのでBACCSの最終個人レポートを書き上げ提出した時の達成感は相当なものでした。是非ひとりでも多くの方にこの達成感・充実感を味わって頂きたいと思います。BACCSの最終レポートは個人ワークでしたが、1月末のレポート提出締め切りの直前まで、私と同じくMBA研究室にこもってレポート完成に向けて最後まで粘った仲間の姿は忘れられない思い出になりました。