2018年度ビジネス・アナリシス体験談

担当:森田 充准教授

「チーム目標は、過去最高の資料を作ろう、BAのバリューを上げよう」

下村 俊樹

下村 俊樹さん(2017年度フレックスコース入学)

なぜ履修したか

青山アクション・ラーニングを選択する上で私は3つの事を考えました。まず、自身の強みであるファイナンス面が活かせる点。次に、投資や統計手法等をプロからダイレクトに学べる点。最後に、MBAを取得する上で個人ではなくチームで1つのものを築き上げる点。以上を重視した結果、ビジネス・アナリシス(BA)を履修いたしました。そして、1年間の学びを終えこの文章を書かせていただいている中、自身の選択は正しかったと考えています。

様々な得意分野を持つチームメンバーとファンドを通して1つのものを築き上げることは、ABSで学んだ幅広い知識や経験を反映でき、集大成の授業に相応しいものでした。

授業で学んだこと

前期ではニッセイアセットマネジメントで著名なアナリストとしてご活躍されている吉野貴晶先生からファンド形成までに必要な基礎知識や実際のファンド運用方法等を中心にプロ目線でのお話も含めてご講義いただきました。また、担当教授である森田先生から財務諸表分析や理論株価計算等、幅広い知識を学びました。お二方に共通しているのは「熱意あるご指導」であり、親身にサポートして下さったことに改めて感謝申し上げます。森田先生はグループワークの際に各チームを回って、進めている内容で困ったことはないか、システム操作等含めて分からないことはないか、と常に学生目線でサポートして下さいました。吉野貴晶先生は各チームのアイデアについて、良い視点で僕は好きですと常に肯定して下さり、その上でプロとしてのアドバイスを述べてくれました。お二方にご指導いただいた成果は、その後の各チームの提出資料の内容や精度を見れば一目瞭然でした。

後期では100億円を元手に各チームで競ってファンド運用を行いました。ここからが本格的なグループワークですが、僭越ながら私がリーダをやらせていただいたチームは多様なメンバーで構成されていました。少しご紹介しますと、会計系の国家資格保有者2名、歯科医、理系大学院卒、パイロット資格保有者、英語は全員がビジネスで使え、5人中4名が日系及び外資系企業の管理職でした。経験豊かなメンバーでしたので、皆で意見を出し合いながら、過去最高の資料を作ろう、BAのバリューを上げよう、と非常に前向きに取り組むことが出来ました。一方で、他の3チームも優秀なメンバーがたくさんおり、毎月のプレゼン内容や運用成績において切磋琢磨したことは素晴らしい経験となりました。授業が終わった後に他チームのメンバー含めて食事に行く機会も多く、後期の授業日は特に楽しみな日でもありました。最終プレゼンでは初の英語でのプレゼンやバックテストの実施、最終報告書では該当銘柄全ての1年後株価予想等を行い、BAのバリューを上げるために皆で懸命に取り組んだことを誇りに思い、またメンバー全員に感謝しています。唯一残念だったことは、2018年は株式市場においてリーマンショック以来の厳しい状況下、全チームが運用益を上げることが出来なかった点です。このような中でも、毎週ご参加下さったABS修了生のみなさんのアドバイスに助けられました。

学んだ内容を今後どのように活かしていきたいか

1年間のBA履修を通じて様々なことを学びましたが、特に市況分析や企業分析を行うことで、今まであまり知らなかったビジネスモデルや収益構造を理解することができ、今後は実務である経営企画において「投資すべきかの判断」に活かせると考えています。得意としている財務諸表分析を通してのアプローチ以外に、BAで学んだ思考方法やテクニックを駆使することで、企業経営をより強固なものにしていきたいと考えています。

最後に、BAは青山アクション・ラーニングの看板になり得る魅力ある授業と考えます。一方で、多くの基礎知識や時間を要する面もあり、苦しい時もあるかと思いますが、その苦しみの何倍もの知識や経験が得られるのも事実です。後に続く皆様が更にBAのバリューを上げてくださることを切に願っております。


※2019年度からBAは日本証券アナリスト協会寄付講座「企業分析とファンド・マネジメント・シミュレーション」に科目名が変更になります

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