MBA生活を1年半終えて

齋藤 頼貴さん(2013年フレックスコース入学)

2013年4月にABSの門をくぐり、早いもので1年半が経過した。その間、仕事との両立に苦労しながらも学業と両立し、授業やグループワークから非常に多くの学びを得た。また、今年の4月からの4ヶ月間、タフなことで有名なマネジメントゲームを仲間4人とともに完走した。後期の履修科目をマネジメントゲームの仲間と相談しながらも、早くも達成感を味わってしまっている自分がいる。それほどに濃い1年半だったと思う。

【MBA入学の動機】

学部卒業後、20年近く経理・財務の分野でキャリアを積み、現在は外資系企業でファイナンスコントローラーをしている。経理・財務の責任者として、数字を通して会社全体を見ることができる立場で仕事をしている。コントローラーになって3年、スペシャリストとしては一通りの経験を積んできたが、業務の中での意思決定の際、スペシャリストとして判断することが多く、経営的な視点を持って判断をできていないことに物足りなさを感じていた。専門知識をベースにしながらも、経営トップと同じ視点で考え、経営トップのビジネスパートナーになり得るにはあまりにも知識の幅が狭すぎた。そこで、幅広い経営知識をベースにした適切な意思決定ができるようになることを目標としてMBAコースへの入学を決意した。

【なぜABSなのか】

ABSを選んだ動機は大きく3つ。第1はカリキュラム。ABSはカリキュラムが幅広く、充実しており、専門の会計・ファイナンス以外の経営領域を、自分のニーズに応じて幅広く学べることに魅力を感じた。第2は、ABSの看板科目である500番台科目。マネジメントゲームはこの500番台科目の中の1つである。修士論文を課している大学院が多い中、修士論文が必須ではなく、2年目は1年目に学んだことを500番台科目で実践的に活用できる点に魅力を感じた。第3は立地。勤務先のオフィスから学校まで30分足らずで着けることは非常に便利である。実際に通学しているとこれは大きな要素であると痛感する。平日週3回程度通学し、また時には授業が終わった後、会社に戻って仕事をしなければならないこともある。やはり遠いよりは近い方が肉体的な負担も少なくてすむ。入学して1年半、以上3つの選択理由は間違っていなかったと実感している。

【この1年半を振り返って】

1年半を振り返って最初に思い浮かぶのは、仕事との両立である。一般に言われるように仕事との両立は簡単ではない。授業が6時半から始まる日に、業務が立て込んでいる時は2時間前出社で対応している。また、6-7科目を並行して履修するため、昼休みや通勤時間などのスキマ時間を利用してレポートを書くなど上手な時間の使い方も必要になると思う(これは仕事をしながらMBAに通っていれば誰でも自然に身に付くと思うが)。次に思い浮かぶのは、ある先生の授業での言葉である。「何のためにMBAで学ぶのか?」「経営に関する幅広い知識を身に付けるだけだったら自分で本を読めばいい」「MBAで学ぶ価値は、限られた時間と情報の中で適切な意思決定をし、それを論理的に相手を説得できる能力の育成」。このメッセージは、卒業した後も自分のテーマとして追求したいと思っている。
最後に素晴らしい仲間たちである。マネジメントゲームのチームメートとは、履修期間中、毎日終電まで学校でグループワークをし、終わらなければ家に帰って夜中にスカイプで議論をした。時に意見がぶつかったりしたが、全員最後まで自分の責任を果たし、全員で完走することができた。このような経験は、一生の中でマネジメントゲームでしかできない経験だと思う。この仲間たちとのつながりは、卒業後もずっと大切にしたいと思っている。

最後にABSへの入学を検討している皆様へ。MBAでの学業と、仕事・家族との両立は決して楽なものはありませんが、頑張って乗り越えた時、その苦労を大きく上回るものが得られると思います。MBAで学ぶ目的意識をはっきり持っている人であれば、この2年間は、貴重な時間とお金を投資するに値する素晴らしいものになると確信しています。一人でも多くの方にABSでチャレンジしていただきたいと思います。