ABSでの学びと事業承継について

木村 倫太郎さん(有限会社神田豊島屋取締役社長 2011年度フルタイムコース修了)

1. 現在の会社・仕事内容、自分の仕事の状況

私が社長を務めている有限会社神田豊島屋(東京都千代田区)は、東京都東村山市において酒造りを行う豊島屋酒造株式会社のグループ会社です。豊島屋酒造は中小規模の酒蔵ではございますが、地下150mから汲み上げた伏流水を用いて年間約18,000ℓの日本酒を製造し、地域の皆様や神田明神様、明治神宮様などの御神酒として親しんで頂いております。

神田豊島屋は、その豊島屋酒造の跡地で不動産事業と酒類販売事業を営む会社です。酒類販売部門においては、販売するのは全て豊島屋酒造醸造商品と、そこから派生した商品のみとしています。 私がABSを卒業したのは2012年で、そこから丸3年間、サラリーマンとして建設業の営業・経営企画に携わらせて頂きましたが、母が筋無力症という難病を患い、2015年3月に急遽退職し、会社を引き継ぎました(その後に母は難病を克服し、現在、代表権は母が保有しております)。

もしABSでの学びや経験が無ければ、この突発的なタイミングの事業継承には対応できなかったかもしれないと、当時を振り返って思います。

2. ABS在学時代を振り返って

ABSに興味を持ったのは、①カリキュラムが自分にあっていること②幅広い年代の方がABSで学んでいること、の2点でした。

①については、将来経営者になることは分かっていましたので、万遍なく経営基礎全般を学びたかったことと、修士論文の代わりなる授業が自分で選べることは大きなポイントでした。また②については、入学時、私はまだ23歳と若く、同世代の仲間と一緒に切磋琢磨できることと、また、人生・経営の先輩方から多くを学ぶことができること、という観点で大学院を選んでいて、ABSはまさに私の希望に沿うものだと感じました。

ABSで学んだ授業はどれも素晴らしいものでしたが、特にマネジメント・ゲームでは大きな気づき、経験をさせて頂きました。マーケティング論やファイナンス論等を学ぶことも勿論ですが、それ以上に、経営者としてのメンタリティや考え方の重要性を教えて頂きました。本当に厳しい授業で、精神的にも体力的にもかなり追い込まれましたが、事業承継をされる方には是非お勧めしたい授業です(ボードメンバーの方には、引き続き心を鬼にして厳しいご指導をお願いしたいと存じます)。

3. これから事業継承に備える目的でABSに進学しようと考えている人に向けて一言

ABS在学中には、是非色んな仲間と会話し、多くの時間を過ごして頂きたいと思います。勉強ばかりでなく、一緒にフットサルをしたり、旅行に行ったり・・・あの時の仲間とは、未だに多くの交流を持てています。2年間という長いようで短い時間ですが、確実にあなたの財産になる時間です。

そして、承継されるあなたの会社を、あと100年続く会社にして頂きたいと思います。私もそのつもりで、引き続き頑張ります。

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