『ABS Charity Run!』“RUN FOR THE FUTURE.”
日本の未来に向かって、被災地距離400Kmを走る。

2010年フレックスコース入学 翁 財将(株式会社日経HR)

まず初めに、本チャリティ開催に際し、多くのABS関係者の皆様にご賛同・ご協力をいただきました。スタッフを代表し、この場をお借りして改めて厚く御礼を申し上げます。

2011年3月11日、日本を未曾有の大震災が襲いました。震災当日、たまたま海外にいた私は生まれて初めて「世界が日本を支援する光景」を目の当たりにしました。先進国も途上国も関係なく、世界中が一斉に日本を想い、様々な形で応援をしてくれたことは、日本史上はじめてのことではないでしょうか。当事国で、ビジネススクールに通う私たちがいまできることは何か、自問自答を繰り返し、たどり着いた結論は「等身大のチャリティを自ら企画実行して、自らが元気になって、日本復興の一助となる」ことでした。すぐにABSランニング・サークルの仲間と日本復興への想いを共有し、「ABS Charity Run!」の企画はスタートしました。

私たちABSならではのチャリティにするために、企画をする上で最も大切にしたことは、参加者の想いを受けとめる「仕組み作り」でした。募金して良かった、だけでは元気にならない。1人でも多くの人が「チャリティに参加したい」と思ってもらうにはどんなスキームが必要か。それは、チャリティ参加者が「主役となって楽しんでもらうこと」と同義でした。基金を集めながら、チャリティを楽しみ、走ることを楽しみ、チャレンジすることを楽しむ、そしてその思い出も楽しんでもらう。Win-Win-Winの企画はできないか。幹事スタッフの間では「ミニ・ビジネス・プランニング」と呼びながら皆でアイデアを出し合い、試行錯誤、企画を組み立てていきました。

<ABS Charity Run! 企画サマリー>
キャッチコピー: "Run For The Future."
参加対象者: ABS在学生(1・2年生)・Alumni・教授・ご家族(※ABSの結束を高める。ABS在・卒業生、教授、ご家族が一同に会せる場を提供する。)
チャレンジ: 東日本被災地のいち早い経済復興を願い、日本の未来に向かって、東日本大震災被災地の距離「400Km」を全員で走る。
条件: 全員揃いのチャリティランTシャツを着て走る。当日は、会場の明治神宮外苑をチャリティTシャツのカラー(ピンク)一色に染める。
ポイント: 誰でも、できる人ができる範囲でチャリティ参加。
(A)「走れる人が走れる分だけ走って」参加者全員の合計で400Kmを目指す。
(B)申し込み時に各自目標距離を申告。
(C)当日都合の合わない人はチャリティTシャツ購入を通じて参加可能。
(D)TシャツデザインもABS卒業生に依頼。
ファンドスキーム: (A)Tシャツ購入費(2000円)をチャリティ参加費の上限として、Tシャツ原価を差し引いた基金を、日本赤十字社を通じて復興義援金として寄付。
(B)参加者が増えるほどTシャツ原価が下がって基金が増える。
(C)ファンドレイジングサイトにチャレンジ掲載して外部からの応援者も募集。
思い出: (A)ピンク1色で全員記念撮影。
(B)専属カメラマン(ABS現役生)がイベントの模様を常時撮影。
(C)ランイベント後の打ち上げで撮影写真上映会。 など

2011年6月5日、チャリティラン当日は快晴に恵まれ、神宮外苑はチャリティランTシャツを着た参加者でピンクの花が咲きました。事前申告の距離合計はシナリオを描いたように399Kmでしたが、スタートをしてみると、現地に来ることができなかった卒業生が同時刻に北京で参加したり、研究科長が事前申告の5倍も走っていただいたりと、イベントは大いに盛り上がりました。

結果として、チャリティ参加者合計139名(うちランニングイベント参加67名)、チャレンジ目標400Km走破を大幅に上回る544.80Kmを達成し、当初目標の約1.5倍の東日本大震災復興義援金をお届けすることができました。数字上の目標達成もありますが、参加者が楽しんで元気になってもらうことが私たちのチャリティ成功の指標としていましたので、参加した皆さんが「楽しかった!」「いい思い出になった!」と仰っていただいたことが、何より嬉しく思いました。

来年以降は、グローバルビジネスリーダーを養成するABSらしく、世界に羽ばたいたABS関係者を集めて「ABS Global Charity Run!(仮称)」というイベントを、Alumniの皆さんと計画しています。時差を利用して、世界中で活躍するABSの在・卒業生でリレーマラソンをする、という企画です。年に1回、「日本の復興元年」を振り返るイベントとして、仕組みを変えて、継続して開催していきたいと考えています。

ファンドレイジングサイトJust Giving 掲載ページ
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